2001年5月の連休に宮島弥山へ登ってきました。古くから伝わっている「弥山の七不思議」について実地調査(?)してきましたので紹介します。 この「弥山の七不思議」の他にも、「宮島の七不思議」など不思議な話や言い伝えがたくさん残っているようです。 |
その壱 消えずの霊火(きえずのれいか) 〜不消霊火堂(きえずのれいかどう) |
時は平安時代(西暦806年)、弘法大師が宮島で修行をした時に焚かれた護摩の火がおよそ1,200年間、昼夜燃え続け、元火の絶えない霊火「消えずの火」。 霊火堂の中には、ススで真っ黒になった茶釜が火にかけてあります。この霊火堂、消えずの霊火のススで真っ黒に煤けたお堂で、相当の歴史を感じさせてくれます。 この「消えずの火」、何もしなくても燃えている不思議な火というわけではなく、おそらくは修行僧の方が火を絶やさないように薪を補給されているようです。霊火堂の横手には、たくさんの薪が積んでありました。 |
その弐 錫杖の梅(しゃくじょうのうめ) |
弥山本堂のすぐ脇にひっそりと生えている梅の木。 その昔、弘法大師が立てかけられた錫杖(しゃくじょう)が根を張って、梅の木になったと伝えられている。初春には、八重紅梅が美しく咲いて、甘酸っぱい香りが漂うそうです。 この梅の木、弥山に不吉な兆しがある時は、花が咲かないといわれている不思議な梅の木なんだそうです。 写真を撮った5月は、新緑の若葉をつけた古木が本堂の脇にひっそりと生えているといった感じでした。弘法大師の錫杖の言い伝えの真偽は別にしても、苔むした根本・コブのある太い幹を見ると、やはりその歴史を感じさせてくれます。 |
その参 曼陀羅岩(まんだらいわ) |
弥山本堂の南側に数十畳の大岩があり、その石面に「三世諸仏 天照大神宮 正八幡三千七百余神」と彫り込まれているんだそうです。この石面に刻まれた文字は、弘法大師の書と伝えられているそうです。 少し探し回ったのですが、残念ながらこの大岩石、どこにあるかわからず、結局現物を見ることができませんでした。弥山の頂上付近には、大岩がごろごろしていて、大小様々の奇岩怪石があるようです。 写真は、弥山本堂から数分歩いた神社らしき建物のそばで見つけたかなり大きな大岩で、先は絶壁になっています。おそらく、こんな大岩に文字が刻まれているのだと思うのですが・・・・ |
その四 干満岩(かんまんいわ) |
弥山頂上から少し下ったところに大きな岩があり、その側面に直径10cmくらいの小さな穴が開いていて、中には水が溜まっています。横の案内板によると、「岩穴の水は、満潮の時には溢れ、干潮の時には乾く。不思議な穴で、水は塩分を含んでいる。弥山七不思議の一つ」と説明されています。 この干満岩に着いたのは、干潮の時間帯。岩穴の中には八分目程度の水が溜まっていました。よく見るとこの穴から水があふれ出した白っぽい跡が岩肌についています。 試しに、穴の中の水に指をつけて少し舐めてみると、ほんの少し塩味がしたような・・・(衛生上、余りお勧めしません・・) 自分の手の甲や腕を舐めてみると汗の塩味が・・・ 弥山登山でけっこう汗をかいたので、もしかしたら汗の塩分を含んでいるのかもしれません。 |
その伍 龍燈の杉(りゅうとうのすぎ) |
旧正月元旦の夜から六日間、宮島周辺の海面に不思議な光が現れるので、これを「龍燈」と呼んでいたそうです。この龍燈が最もよく見えたのが、弥山頂上に生えていた大杉の位置からだそうで、この大杉を「龍燈の杉」と呼んでいたようです。 現在、弥山の頂上にはそれらしき大杉が見つからないので、展望台売店のおばさんに聞いてみたところ・・・ あの切り株が「龍燈の杉」と教えて下さいました。現在では、切り株だけが残っているようです。 確かに木々の間から瀬戸内海が見えますが・・・ はたして、この龍燈の正体はなんだったのでしょうか? |
その六 時雨桜(しぐれざくら) |
晴天の日でも、この桜の木の下だけは通り雨が過ぎたように地面が濡れていたという不思議な桜。どうやら花びらや葉っぱに露が溜まり、風になびいてその露が滴り落ちたらしいのですが・・・ それにしても特定の桜の木だけでこの現象が顕著だったのは不思議です。現在、この桜は枯れて切り株も残っていないそうです。 ・・・ところが、弥山頂上の桜の木でもそれらしき現象が起こっているのを見つけました。頂上の桜の木の下で休んでいると、ポツポツと水滴が落ちてくる。当日は勿論のこと、前日にも雨は降っていないのに・・・。よ〜く見ると、葉っぱに水滴が・・・。 |
その七 拍子木の音(ひょうしぎのおと) |
人のいない深夜に時折、拍子木の音が聞こえるという話が残されています。人々は天狗の仕業であろうと伝えられているようですが・・・。 この音、はたしてどんな音だったのでしょうか?弥山へ登るロープウェイの終点獅子岩駅付近には、野生の猿や鹿が生息しています。もしかしたら、雄鹿が角をぶつけ合って喧嘩していたとか、猿が遊んでいたなんてことはないですよね・・・?? この他にも、松から松に飛び移る松明のような不思議な赤い火が見られ、「弥山の松明」または「守護神の火」なんて呼ばれていたようです。 写真は、宮島野猿公園の近くで見つけたお猿さんですが、「拍子木の音」や「弥山の松明」の正体が猿の仕業と考えているわけではありませんので・・・。 |